入院中の治療
治療には、薬物療法をはじめいろいろな方法がありますが、患者様一人ひとりの症状に合わせて、いくつかの治療を組み合わせて行います。ここでは、リハビリテーションを目的とした主な治療法をご紹介します。
SSTとは“Social Skills Training”の略語で社会生活技能訓練と訳されます。 「精神障がいをもつ人達が、社会の中で受けるストレスに対応していく力をつけ地域生活を維持していくために用いられる、心理社会的なリハビリテーションのひとつ」です。
毎週土曜日、療養病棟に入院しておられる患者様を対象に、1回につき10名程度で1時間実施。
それぞれのテーマに沿ってグループメンバーで「困っていること」「疑問に思っていること」「うれしかったこと」などを話し合いスッキリ、元気になれる場を提供できるよう、努力しています。
SSTに参加するメリット
- 日常生活のスキルアップ(ADL、コミュニケーション技術など)が出来るようになる。
- 物事のとらえ方、判断の仕方や考え方が前向きになる。
- 退院後の生活において必要な技術を獲得出来るようになる。
SSTの主なテーマとその内容
テーマ | 主な内容 |
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生活習慣 | 生活リズム、睡眠、食生活、排泄、運動について |
健康管理 | タバコ、間食について |
対人関係 | 人に物を頼んだり、断る方法などのロールプレイ |
社会資源の 利用 |
交通機関の利用、公的機関の利用を実施する |
緊急時の 対応 |
心配事の相談方法、悪化時の対処について |
機能障がいや、生活障がいをもつ患者様や、これらの障がいの発生が予想される患者様を対象に行う療法で、ごく日常的な軽作業や趣味的な活動から専門的なものまで、さまざまな活動を作業として利用しています。症状を改善し、一人ひとりにあった社会生活を送れるようにするためのものです。
月曜日から土曜日の9:30~11:30と13:30~15:30に実施。
それぞれ活動に参加される患者様のために、できるだけ楽しく過ごせる場を提供するように心がけています。
作業療法のメリット
- 共に作業をすすめる者同士の連帯感や信頼感を築くことが期待できる。
- 作業を通じて何かを生産することで情緒性を育む。
- 人とかかわるきっかけをつかみ、対人的な自分の居場所を見つけ、安心感をもたらす。
作業療法の内容
創作活動 (個人) |
手芸(編み物・洋裁・刺し子・刺しゅう・ビーズなど) 工芸(革細工・籐細工・粘土・折り紙・ちぎり絵など) その他(読書・絵画・ワープロ・パソコン・塗り絵・プラモデル・書道など) |
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グループ 創作 |
複数のグループが、各々ひとつの作品を制作(ちぎり絵・塗り絵など) |
調理 | 調理実習、近所への買い物など |
スポーツ | 病棟ホールでの簡単な運動・中庭や近くの公園で希望の種目を実施 |
園芸 | 花や野菜を育てたり、それをみんなで食べたりして季節を感じる |
その他 | カラオケ・ビデオ鑑賞など |
心理教育は統合失調症の家族教室から発展してきました。現在では、精神科医療のスタンダードとして位置づけられるほどに、さまざまな領域で実践されています。当院では、当事者向けの心理教育と、ご家族向けの家族教室を実施しています。